犬の終生飼育について
今日本は高齢化社会と呼ばれています。
しかし犬の世界もそうなっているのはあまり知られていません。
なぜなら、
小型犬そしてペットブームが起きたのが約10年前のことです。
高齢によって介護のお世話が嫌だと言って、飼育放棄する人も最近多いです。
僕はこのような経験があります。
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ドッグトレーナとしてドッグトレーニング施設で働いていた時に、ふと一台の車が店の前で停まりました。
一人の男性が車から降りてきたので、僕は外作業を一旦止めて駐車場でお話を聞くことにしました。
すると男性は、
「飼っている大型犬が歳をとって歩けなくなったから、ここで引き取ってほしい」
と言いました。
突然のことだったので驚きましたが、僕は「ここで引き取るよりは、最後まで面倒を見てあげて、ちゃんとその子を看取ってあげてください。そのほうがお互い幸せですよ」と言うと、「世話するのが面倒くさくて。そんな時間ないし介護って疲れるじゃん」とのことでした。
なんて人だ。と怒りを覚えましたが、その犬は絶対に飼い主の下で、最期を迎えたいのだろうと思い「そのような理由ではお引き取りできません。犬の幸せを第一優先で考えてあげてください」と断りました。
後日・・・。
朝5時頃、店の駐車場に瘦せ細った大型犬が横になっているのを見つけました。首輪とリードが付けっぱなしでした。
前回来た男性の犬なのかはわかりませんが、要介護の高齢の大型犬でした。
その子は顔が子犬のように素敵でベイビーちゃんと名付け、店でお世話をすることになりました。
その後、ご飯を食べて状態が良くなり、自ら立ち上がって歩くことができるようになりました。
周りの犬たちと混ざって、楽しく遊ぶこともできました。
他にも親離れした子犬ちゃんたちの面倒をよく見てくれて、優しい子でした。
店に来てから長くは生きられませんでしたが、短い時間の中で、少しでもベイビーに生きる幸せを与えることができたのかな?と思います。
最期を迎える間際、「飼い主と俺。どっちの下で逝くのが幸せかな?」と聞きたかったですが、安らかに眠るような表情を見て、聞くのはやめました。
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犬の介護施設も増えてきています。もちろん良いことだとは思いますが、やはり犬にとっては最期まで飼い主と一緒にいたいだろうし、飼い主も責任を持って最後まで一緒に居てあげなくてはいけません。
もちろん、飼い主が先立ってしまうことや高齢によってお世話ができないなどの状況によっては致し方がないこともあると思います。
ただ、この犬の介護施設を楽なものと考え、お世話できるのに【面倒くさい】や【時間がない】という理由で施設に預けてしまう人も今後増えるのではないかと心配しています。
犬、その他の動物を飼うのであれば、終生飼育はもちろんのことだし、飼う前に生きるであろう何十年先を見越してしっかり考えて、命を迎え入れることが大切です。
「かわいい」という気持ちで命を買うのであれば、
命(者)ではなく、ぬいぐるみ(物)を買いましょう。
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